定義: $n, p$を自然数とします. 領域$D \subset \mathbf{R}^n$上で定義された$C^{2p}$級の関数$f: D \to \mathbf{R}$を考えます.
また, $$ \Delta = \frac{\partial^2}{\partial x_1^2} + \frac{\partial^2}{\partial x_2^2} + \cdots + \frac{\partial^2}{\partial x_n^2} $$ をラプラシアンとします.
$p=1$のとき $\Delta f = 0$を満たす関数を調和関数というのでした.
関数$f$が条件 $$ \Delta^p f = 0 $$ を満たすとき, $f$を$p$次のpolyharmonic functionといいます.
1次のpolyharmonic functionであることと調和関数であることは同値です.
定義: 領域$D \subset \mathbf{R}^n$が条件
  • $t \in [0, 1]$かつ $x \in D$のとき $tx \in D$
を満たすとき $D$を原点を中心とする星状領域(star domain)と呼びます.
定理(Finite Almansi expansion): 関数$u\colon D \to \mathbf{R}$を原点を中心とする星状領域$D \subset \mathbf{R}^n$上で定義された$p$次のpolyharmonic functionとします.
すると $D$上で定義された$p$個の調和関数$h_0, h_1, \ldots, h_{p-1}$ が一意的に存在して $$ u = \sum_{k=0}^{p-1} r^{2k} h_k $$ が成り立ちます.
証明: 数学的帰納法により証明します.
$p=1$の場合は自明です.
$p=p_0-1$の場合まで主張が成り立っていたと仮定して, $p=p_0$の場合を考えます.
$\Delta^{p_0}u = \Delta^{p_0-1} \cdot \Delta u = 0$なので, $\Delta u$は$p_0-1$次のpolyharmonic functionです. したがって, 数学的帰納法の仮定より 一意的に $$ \Delta u = \sum_{k=0}^{p_0-2}r^{2k}g_k = \sum_{k=1}^{p_0-1} r^{2(k-1)}g_{k-1} $$ と表されます. したがって 調和関数$h_0, h_1, \ldots, h_{p_0-1}$であって以下の条件を満たす一意的なものを見つけたいです: $$ \begin{align*} \Delta u &= \sum_{k=1}^{p_0-1}r^{2(k-1)}g_{k-1} = \sum_{k=1}^{p_0-1} \Delta(r^{2k}h_k) \tag{$\ast$} \\ &= \sum_{k=1}^{p_0-1}r^{2(k-1)} \left( 4k\left(k-1+\frac{n}{2}\right)h_k + 4kr\frac{\del h_k}{\del r}\right). \end{align*} $$ 数学的帰納法の仮定より,このような分解は一意的なので \[ 4k\left(k-1+\frac{n}{2}\right)h_k + 4kr\frac{\del h_k}{\del r} = g_{k-1} \] が$k = 1, 2, \ldots, p_0-1$に対して成り立ちます. 両辺に$r^{k-2+n/2}$を掛けて両辺を積分すれば \[ r^{k-1+n/2}h_k(r\theta) = \frac{1}{4k}\int_0^r \rho^{k-2+n/2}g_{k-1}(\rho \theta)d\rho \] を得ます. ここで $\theta$は原点を中心とした単位円の上の点であり, $r$は$x:=r\theta \in D$となるような正の数です. したがって $$ h_k(x) = \frac1{4k}\int_0^1 \tau^{k-2+n/2}g_{k-1}(\tau x)d\tau $$ とおくと $h_k$は調和関数です. さらに $$ h_0(x) = u(x) - \sum_{k=1}^{p_0-1}r^{2k}(x) h_k(x) $$ と置けば $(\ast)$によって $h_0$も調和関数であることが分かります.


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