一般化されたフィボナッチ数列にビネの公式は使えないと勘違いしていたのですが, 使えたので そのメモ.

以下フィボナッチ数列を$\set{u_n}_{n \in \NN}$とします:

\[\begin{align} u_1 = 1,\quad u_2=1,\\ u_{n + 2} = u_n + u_{n+1}. \end{align}\]

この式から$u_n = u_{n + 2} - u_{n + 1}$が分かります.

これを利用して フィボナッチ数列のインデックスを整数に拡張して$\set{u_n}_{n \in \ZZ}$を考えることができます.

例えば $u_0 = u_2 - u_1 = 0, u_{-1} = u_1 - u_0 = 1, u_{-2} = u_0 - u_{-1} = -1$です.

このようにして拡張されたフィボナッチ数列を”拡張されたフィボナッチ数列”と言います. 帰納的に

\[u_{-n} = (-1)^{n+1}u_n\]

が分かります.

前回の記事でインデックスが自然数の場合には ビネの公式が成り立つことを示しました:

\[u_n = \frac1{\sqrt{5}}(\alpha^n - \beta^n).\]

ここで$\alpha = \frac{1 + \sqrt{5}}{2}, \beta = \frac{1 - \sqrt{5}}{2}$です.

拡張されたフィボナッチ数列に対しても ビネの公式が成り立つことを示しましょう.

一般化されたフィボナッチ数列を$\set{u_n}_{n \in \ZZ}$と表すことにします. また,

\[\tilde{u}_n = \frac1{\sqrt{5}}(\alpha^n - \beta^n)\]

で数列$\set{\tilde{u}}_{n \in \ZZ}$を定義します.

このとき 示したいことは$u_n = \tilde{u}_n$です.

$n = 0$の時: $u_0 = \tilde{u}_0 = 0$は明らかです.

$n \neq 0$の時:

\[\begin{align*} \tilde{u}_{-n} &= \frac1{\sqrt{5}}(\alpha^{-n} - \beta^{-n}) \\ &= (\alpha\beta)^{-n}\frac{(\beta^n - \alpha^n)}{\sqrt{5}} \\ &= -(\alpha\beta)^{-n}\frac{(\alpha^n - \beta^n)}{\sqrt{5}}. \end{align*}\]

ここで $\alpha\beta = -1$に注意すると

\[\tilde{u}_{-n} = (-1)^{n+1}\frac{\alpha^n - \beta^n}{\sqrt{5}} = u_{-n}\]

を得るので, 全ての整数$n$に対して$u_n = \tilde{u}_n$ が成り立つことが示されました.