一般化されたフィボナッチ数列に対して ビネの定理が成り立つことは 一般化されたフィボナッチ数列とビネの定理の整合性 の記事で証明しました.

そのビネの定理を用いることで 一般化されたフィボナッチ数列に対して 加法定理が成り立つことを示しましょう.

数列${u_n}_{n \in \ZZ}$を一般化されたフィボナッチ数列とします.

整数$n$に対して

\[u_n = \frac1{\sqrt{5}}(\alpha^n - \beta^n)\]

が成り立つというのが ビネの定理でした.

ここで

\[\alpha = \frac{1 + \sqrt{5}}{2}, \quad \beta = \frac{1 - \sqrt{5}}{2}\]

です.

このとき, 一般化されたフィボナッチ数列の加法定理とは, 整数$m, n$に対して

\[u_{m+n} = u_{m-1}u_{n} + u_mu_{n+1}\]

が成り立つ, という定理です.

これを示しましょう. ビネの定理より

\[\begin{align} u_{m-1}u_n + u_mu_{n+1} &= \frac1{5}(\alpha^{m-1} - \beta^{m-1})(\alpha^n - \beta^n) + \frac1{5}(\alpha^m - \beta^m)(\alpha^{n+1} - \beta^{n+1}) \\ &= \frac1{5}( \alpha^{m+n-1} + \beta^{m+n-1} - \alpha^n\beta^{m-1} - \alpha^{m-1}\beta^n + \alpha^{m+n+1} + \beta^{m+n+1} - \alpha^{n+1}\beta^m - \alpha^m\beta^{n+1}) \\ &= \frac1{5}(\alpha^{m+n-1} + \beta^{m+n-1} + \alpha^{m+n+1} + \beta^{m+n+1} - \alpha^n\beta^{m-1}(1+\alpha\beta) - \alpha^{m-1}\beta^n(1 + \alpha\beta)) \end{align}\]

ここで $\alpha\beta=-1$を用いて

\[\begin{align} u_{m-1}u_n + u_mu_{n+1} &= \frac1{5}(\alpha^{m+n+1} + \alpha^{m + n - 1} + \beta^{m+n+1} + \beta^{m+n-1}) \\ &= \frac1{5}(\alpha^{m+n-1}(1 + \alpha^2) + \beta^{m+n-1}(1+\beta^2)). \end{align}\]

実数$\alpha$は方程式$x^2 - x - 1 = 0$の解であったことに注意して

\[\begin{align} 1 + \alpha^2 &= 2 + \alpha \\ &= 2 + \frac{1 + \sqrt{5}}{2} \\ &= \frac{5 + \sqrt{5}}{2} \\ &= \sqrt{5}\cdot \frac{1 + \sqrt{5}}{2} = \sqrt{5}\alpha. \end{align}\]

同様にして $1 + \beta^2 = -\sqrt{5}\beta$を得る.

以上によって

\[\begin{align} u_{m-1}u_n + u_mu_{n+1} &= \frac1{5}(\sqrt{5}(\alpha^{m+n} - \beta^{m+n})) \\ &= \frac{1}{\sqrt{5}}(\alpha^{m+n} - \beta^{m+n}) = u_{m+n}. \end{align}\]