問題: 以下の計算をしてみましょう:

$\zeta = \cos \frac{2\pi}{5} + i\sin\frac{2\pi}{5}$とおく. このとき

\[(\zeta^0)^7 + (\zeta^1)^7 + (\zeta^2)^7 + (\zeta^3)^7 + (\zeta^4)^7.\]

回答1. 複素数$\zeta$は5乗根の一つである(すなわち$\zeta^5 = 1$が成り立つ). したがって

\[\begin{align*} (\zeta^0)^7 &= \zeta^0, \\ (\zeta^1)^7 = \zeta^7 &= \zeta^2, \\ (\zeta^2)^7 = \zeta^{14} &= \zeta^4, \\ (\zeta^3)^7 = \zeta^{21} &= \zeta^1, \\ (\zeta^4)^7 = \zeta^{28} &= \zeta^3. \end{align*}\]

したがって

\[\begin{align*} (\zeta^0)^7 + (\zeta^1)^7 + (\zeta^2)^7 + (\zeta^3)^7 + (\zeta^4)^7 &= \zeta^0 + \zeta^1 + \zeta^2 + \zeta^3 + \zeta^4 \\ &= 0. \end{align*}\]

回答2. 複素数$\zeta$は5乗根の一つである(すなわち$\zeta^5 = 1$が成り立つ).

さて, 乗法群$G$を

\[G = \set{\zeta^j; j=0, 1, 2, 3, 4}\]

で定義します. さらに, 写像$\phi$を

\[\phi: G \to G; \zeta^j \to \zeta^{7j}\]

で定義します.

この時, $\phi$は同型写像であることを示しましょう.

$\phi$は明らかに準同型写像です. また ド・モアブルの定理に注意すると

\[\phi(\zeta^{7j}) = \cos \frac{14\pi j}{5} + i\sin\frac{14\pi j}{5}\]

を得るので, $\Ker(\phi) = \set{1}$が分かります. したがって $\phi$は同型写像です. よって $\phi(G) = G$が成り立ちます.

以上によって

\[\begin{align*} (\zeta^0)^7 + (\zeta^1)^7 + (\zeta^2)^7 + (\zeta^3)^7 + (\zeta^4)^7 &= \zeta^0 + \zeta^1 + \zeta^2 + \zeta^3 + \zeta^4 \\ &= 0. \end{align*}\]