実数$a$, $b$に対して $X=\set{x; a < x < b}$と置きます.

集合$X$に最小値, 最大値が存在しないことを示しましょう.

その前に 最小値, 最大値の定義を思い出しましょう:

定義 実数からなる空でない集合$X$に対して 実数$m$が集合$X$の最小値であるとは
  • 実数$m$は$X$の元である.
  • 全ての$X$の元xに対して $m \le x$が成り立つ.
が成り立つことである. また, 実数からなる空でない集合$X$に対して 実数$M$が集合$X$の最大値であるとは
  • 実数$M$は$X$の元である.
  • 全ての$X$の元xに対して $M \ge x$が成り立つ.
が成り立つことである.

証明には背理法を使います.

背理法を忘れた(知らない)人は高校数学の美しい物語などを参照してください.

証明
集合$X$の最小値が存在しないこと)
集合$X$に最小値$m$が存在していたと仮定する. $$ c = \frac{a + m}{2} $$ とおく. また $m \in X$より$a < m < b$であることに注意すると $$ \begin{align*} c &= \frac{a+m}{2} > \frac{a+a}{2} = a, \\ c &= \frac{a+m}{2} < \frac{b+b}{2} = b \end{align*} $$ を得る. よって $c \in X$が成り立つ. さらに \[ c = \frac{a+m}{2} < \frac{m+m}{2} = m. \] これは$m$が$X$の最小値であることに矛盾する.
集合$X$の最大値が存在しないこと)
最小値の場合と同様です.
集合$X$に最大値$M$が存在していたと仮定する. $$ c = \frac{b + M}{2} $$ とおく. このとき $$ \begin{align*} c &= \frac{b+M}{2} > \frac{a+a}{2} = a, \\ c &= \frac{b+M}{2} < \frac{b+b}{2} = b \end{align*} $$ が成り立つので $c \in X$を得る. さらに \[ c = \frac{b+M}{2} > \frac{M+M}{2}=M. \] これは $M$が$X$の最大値であることに矛盾する.