貫太郎さんが

\[\sqrt{2 + \sqrt{2 + \sqrt{2 + \cdots}}}\]

の値を計算している動画を見ました.

それを一般化して 数列

\[\begin{align*} a_1 &= b, \\ a_{n+1} &= \sqrt{c + \lambda a_n} \; (b, c, \lambda > 0) \quad (\ast) \end{align*}\]

の極限

\[\lim_{n \to \infty} a_n\]

の値と$a_n$の収束性のことを考えてみました.


数列$a_n$が収束すると仮定する. このとき その収束値を計算することはそう難しくない.

実際$(\ast)$より その極限値を$\alpha$とすると

\[\alpha = \sqrt{c + \lambda \alpha}.\]

両辺を二乗して

\[\alpha^2 = c + \lambda \alpha\]

を得る.

この二次方程式を解くと

\[\alpha = \frac{\lambda \pm \sqrt{\lambda^2 + 4c}}{2}\]

を得るが, 明らかに$\alpha > 0$なので

\[\alpha = \frac{\lambda + \sqrt{\lambda^2 + 4c}}{2}.\]

後々のため

\[\beta = \frac{\lambda - \sqrt{\lambda^2 + 4c}}{2} < 0\]

と置く.

以下 $\set{a_n}$が$\alpha$に収束することを示す.

特に

(i) $b < \alpha$のとき $\set{a_n}$は上に有界かつ単調増加であること

(ii) $b=\alpha$のとき $a_n = \alpha$であること

(iii) $b>\alpha$のとき $\set{a_n}$は下に有界かつ単調減少であること

を示す.

これが示されれば 上に有界かつ単調増加である数列 及び 下に有界かつ単調減少である数列は収束するので $\set{a_n}$はある値に収束することが分かる.

しかも $\set{a_n}$がある値に収束すると仮定するとその値は$\alpha$であることを示したので, $\set{a_n}$が$n \to \infty$で収束する値は$\alpha$であることが分かる.

(i) $b < \alpha$のとき $\set{a_n}$は上に有界であり, 単調増加であることを示す. まず, 上に有界であること, 特に $a_n < \alpha$が全ての自然数$n$に対して成り立つことを示す.

$n=1$のとき:

\[a_1 = b < \alpha\]

である.

$n=k$のとき $a_k < \alpha$であると仮定すると $n=k+1$のとき

\[\begin{align*} a_{k+1} &= \sqrt{c + \lambda a_k} \\ &< \sqrt{c + \lambda \alpha} \\ &= \sqrt{c + \lambda \cdot \frac{\lambda + \sqrt{\lambda^2 + 4c}}{2}} \\ &= \frac{\sqrt{2\lambda^2 + 4c + 2\lambda\sqrt{\lambda^2 + 4c}}}{2} \\ &= \frac{\lambda + \sqrt{\lambda^2 + 4c}}{2} = \alpha \end{align*}\]

となるので 全ての自然数$n$に対して$a_{n} < \alpha$であることが分かる.

次に$\set{a_n}$が単調増加であることを示す.

\[\begin{align*} & a_n < a_{n+1} \\ \Longleftrightarrow & a_n < \sqrt{c + \lambda a_n} \\ \Longleftrightarrow & a_n^2 < c + \lambda a_n \\ \Longleftrightarrow & a_n^2 < c + \lambda a_n \\ \Longleftrightarrow & a_n^2 - \lambda a_n - c < 0 \\ \Longleftrightarrow & \beta < a_n < \alpha. \end{align*}\]

だが, $\beta<0$かつ$a_n < \alpha$なので $\set{a_n}$は単調増加である.

(ii) $b=\alpha$のとき, $a_n=\alpha$が$n$に依らずに成り立つことを示す. これが言えればもちろん

\[\lim_{n \to \infty}a_n = \alpha\]

である. $n=2$のときを考えると

\[\begin{align*} a_2 &= \sqrt{c + \lambda b} \\ &= \sqrt{c + \lambda \cdot \frac{\lambda + \sqrt{\lambda^2 + 4c}}{2}} \\ &= \frac{\sqrt{2\lambda^2 + 4c + 2\lambda\sqrt{\lambda^2 + 4c}}}{2} \\ &= \frac{\lambda + \sqrt{\lambda^2 + 4c}}{2} = \alpha \end{align*}\]

となる. 以下同様である.

(iii) $b > \alpha$のとき $\set{a_n}$は下に有界であり, 単調減少であることを示す.

(i)の場合と同様である.

まず, 上に有界であること, 特に $a_n > \alpha$が全ての自然数$n$に対して成り立つことを示す.

$n=1$のとき:

\[a_1 = b > \alpha\]

である.

$n=k$のとき $a_k > \alpha$であると仮定すると $n=k+1$のとき

\[\begin{align*} a_{k+1} &= \sqrt{c + \lambda a_k} \\ &> \sqrt{c + \lambda \alpha} \\ &= \sqrt{c + \lambda \cdot \frac{\lambda + \sqrt{\lambda^2 + 4c}}{2}} \\ &= \frac{\sqrt{2\lambda^2 + 4c + 2\lambda\sqrt{\lambda^2 + 4c}}}{2} \\ &= \frac{\lambda + \sqrt{\lambda^2 + 4c}}{2} = \alpha \end{align*}\]

となるので 全ての自然数$n$に対して$a_n > \alpha$であることが分かる.

次に$\set{a_n}$が単調減少であることを示す.

\[\begin{align*} & a_n > a_{n+1} \\ \Longleftrightarrow & a_n > \sqrt{c + \lambda a_n} \\ \Longleftrightarrow & a_n^2 > c + \lambda a_n \\ \Longleftrightarrow & a_n^2 > c + \lambda a_n \\ \Longleftrightarrow & a_n^2 - \lambda a_n - c > 0 \\ \Longleftrightarrow & a_n < \beta \; \text{or} \; a_n > \alpha \end{align*}\]

だが, $a_n > \alpha$なので $\set{a_n}$は単調減少である.